ゲンゴロウのロレーヌ日記

くまのゲンゴロウが,ロレーヌ地方の町メッスに留学しました。

サン=ミエルへドライブ

こんにちは,ゲンゴロウです。今日は,フランス人のマダムのお誘いで,サン=ミエルという小さな町にドライブ。

 

収穫後の麦畑を眺めながら,片道1時間ほど,田舎道をのんびり走ります。

 

サン=ミエルに到着。じつはユゴーの『レ・ミゼラブル』で言及されたり,あるいはフォークナーの小説やビデオゲームの舞台になったり,立派な彫刻があったりと,けっこう有名な町。

 

ロレーヌ地方の例に漏れず,この町にも第1次世界大戦の傷跡が残ります。これは当時の軍帽と,戦況を伝える新聞。


とりわけ有名なのは,ここの古文書館。かつての僧院で,宗教関係の膨大な蔵書を誇ります。今でも資料調査に訪れる人がたくさんおられるとの由。

 

図書館のガイドさんによれば,天井のモチーフは様々な寓意に富んでいるそうです。

 

たとえば当時の世界の全てであった四大陸。これはヨーロッパ。

 

象が表しているのはアジア。アリゲーターならアメリカ。ラクダは中近東。アフリカはといえば,当時は暗黒大陸ですので,まだ表象されていません。

 

四元素を表す図像も。火蜥蜴は火,魚は水,鳥は風,獅子は土,だそうです。

 


ちょうど催されていた企画展。サン=ミエルの宗教遺物を展示。見事なまでに意匠が凝らされて,キリスト教こそがヨーロッパ文化の原動力であったことを,あらためて感じさせられます。


同時開催されていたのがエチオピア展。フランスとエチオピアとの関わりを見つめ直そうとの意気込み。じっさい,アフリカの商人になったランボーが訪れたことはよく知られています。

 

なぜか,エチオピアの枕に混じり,日本の枕が。


今回お世話になったのは,数年前,この町に移住して来られた芸術家のご夫妻。大変な昼食の歓待を受けました。

 

サン=ミエルは,芸術家たちに格安で住宅を提供することで,町の活性化を図っています。ご招待くださったご夫婦もその縁で,この町にアトリエを構えておられます。これは奥様手作りのナスビとアーティチョークの生姜炒め。

 

低温でじっくり8時間(!)焼いた羊のもも肉(gigot d'agneau)。ご主人自ら切り分けてくださいました。

 

デザートはケーキが3種類。申し添えれば,フランスでスイーツは女性専用というイメージでは全くありません。男性も喜んでケーキを食べますし,その量は半端ないです。

 

かくして充実した日帰りドライブは終わりました。ゲンゴロウのロレーヌ滞在もあとわずか。最後まで頑張りますので,応援よろしくお願いいたします。また,お便りします。