こんにちは、きなこです。
ゲンゴロウくんの話を聞いて、私もポン・タ・ムッソンに行きたくなり、悪天候を顧みず、列車に飛び乗りました。
まずは、橋の向こうにある教会へ。ちょうど観光客の一団を、役場のおじさんが案内中。
邪魔にならないよう、そっと静かに教会内を見学していたところ、おじさんから声をかけられました。本当はこの教会は閉じられていて、現在は予約した人しか入れないとの由。おじさん、ごめんなさい。
本日のお目当ては、「漆器博物館」。ベルエポックにロレーヌで一世を風靡した漆塗り製品を展示した博物館です。
当時の家具を用いて再現されたヴィクトリア調のサロン。開国直後の日本から様々な漆器が輸出され、ヨーロッパに一大ブームを巻き起こしました。
それにしても、日本の漆器を模したヨーロッパの技術には驚かされます。ご覧下さい、この精巧な金銀螺鈿の細密画。
面白いのは、想像上の日本や中国をモチーフにした装飾品。たしかに、東洋の風景なんだけれども、どこか違うというのか、違和感を感じるというのか・・・でもそれが、なんとも言えない味わいを醸し出しています。
女性の化粧道具は、漆細工にピッタリ。白粉箱には、三味線をもった日本女性が描かれています。芸者さんでしょうか?
その他にも、筆箱やトランプ入れなど、小道具が盛り沢山。当時の日本ブームが偲ばれます。
ナポレオン帝政様式を再現したお部屋。第二帝政時代の貴族の寝室は、日本趣味で埋め尽くされていたわけですね。意外です。
巨大なブロンズのサムライ像。最後の最後まで、和のテイストを堪能させてくれる美術館でした。
この日は、復活祭の一週間前に祝われる枝の主日。キリストのエルサレム入場を記念する日。だから、街の広場はすっかり祝祭ムード。
ちなみに街の広場は、かつてイタリアから渡ってきた商人たちが中心となって作ったもの。だから回廊形式になっていて、ベネチアのサンマルコ広場みたいな雰囲気。
ここには町役場もあります。そこに張り出されていた結婚の告知文。「この結婚に異議のあるものは申立よ」と書かれています。なんでも重婚を防ぐためのものだとか。いかにもフランス的で面白いですね。また、お目にかかるのを楽しみにしています。