ゲンゴロウのロレーヌ日記

くまのゲンゴロウが,ロレーヌ地方の町メッスに留学しました。

コクトーのステンドグラス

こんにちは,ゲンゴロウです。

メッスのサン・マクシマン教会には,あのマルチ芸術家であるジャン・コクトーが手掛けたステンドグラスがあります。

 

ぼくのアパートから,徒歩10分という近さなのに,今まで訪ねたことがありませんでした。そこでこの週末を利用して,ステンドグラス鑑賞としゃれこみます。

 

教会は,ストラスブールへと続くローマ時代の街道沿いに建てられています。今も残るローマの石畳はデコボコとして,太古から栄えたメッスの誇りでもあります。

 

教会は存外小振りな建物です。内奥の祭壇まで進むと,そこにコクトーのステンドグラスが張り巡らされています。

 

ありました! これがそのステンドグラスの一部です。ご覧のとおり,ひと目でコクトー作と分かる特徴的なデザイン。2枚目の写真の左側には,馬が描かれています。

 

ステンドグラスには,コクトーのサインが! 1962年の作品なんですね。なんか,リアルで,感動しました。

 

一枚の絵の中に,人や動物や植物など,複数のモチーフが重ねられているのもコクトーならでは。まるで絵解きに挑んでいるかのような楽しみがあります。

 

祭壇奥の小部屋には,男性の顔を彫り込んだグラス。ひょっとすると,キリストの聖骸布を模したものでしょうか。

 

それにしても,流石に才人コクトー。何をやらせても超一流。ゲンゴロウもあやかりたいものです。

 

教会にはぼく以外,誰もいません。青い絨毯をひたひたと歩いていると,まるで深海を散歩している気分。「私の耳は貝の殻。海の響きを懐かしむ」byコクトー(堀口大學・訳)。

 

芸術鑑賞の余韻に浸りながら帰宅すると,焼き立てパンの香ばしい香りが・・・。おじさんがついに,フランスで初めてパンを焼いてくれてました。

 

当然ながら,パン作りの道具はありませんので,おじさん,ずいぶん苦戦した模様。でも,さすがにオーブンはフランス製だけあって,焼色はバッチリ。おじさん,再挑戦を心に誓っていました。また,お便りします。