こんにちは,ゲンゴロウです。
蚤の市と言えば,パリの専売特許というイメージがありますが,じつはメッスにも存在しています。
市内からバスで20分ほどのところにある展示会場で,隔週開かれています。
けっこう大規模で,プロの方の買付によく利用されているみたい。
販売されている品は,陶器から絵画,軍服や家具まで,パリのヴァンヴにも引けを取らない充実ぶり。骨董好きのゲンゴロウの血が騒ぎます。
このコウノトリは,頭部を取り外して,そこから飲料水を注ぎ込めるようになっています。5脚セットのグラス付き。欲しかったのですが,日本に持って帰るのは難しそうなので,諦めました。
ぼくが購入したのは,ミニチュアのティーセットで,15ユーロ。
一見したところ,何の変哲もないおもちゃの陶器。
しかし,ひっくり返すと「MADE IN OCCUPIED JAPAN 」の銘が。
そうなんです,これは米国の占領下にあった日本で作られた輸出向けの陶器なんです。
この銘が使用されたのは1947年からわずか2年間とのこと。日本では,一部のマニアに「里帰り品」と言われ,垂涎のアイテムになっています。
付属のお盆も,きちんと漆塗りで作られています。そのうえ,金泥で星模様も施された丁寧なお仕事。とても,おもちゃとは思えません。
戦後の復興の中で,様々な苦難に耐えながら,職人さんが腕によりをかけて作り上げた美しい陶器。どんな時にも仕事に全力を尽くす。まさに日本人の心意気。
もちろん,実用品ではありませんので,これでお茶を飲むことはできません。
せめてエアーでお茶を入れて,先人の努力に思いを馳せてみました。
これにくわえて購入したのが,ガラス製の小物入れ。本来の用途はアクセサリー入れではないかと思われます。でも,ゲンゴロウは食卓の塩壺として使用するつもり。
最後に紹介するのは,スフレンハイム焼きの陶器。
ぼく専用のワインピッチャーにしようと思います。
骨董あさりの余勢を駆って,憧れのカフェ「サロン・ブルー」へ。こちらの名物は「ガレット・デ・ロワ」。2022年のモーゼル県コンクールの優勝店です。
ぼくが注文したのは,ちょっと変わり種のピスタチオ味。だからクリームも緑色。アーモンドのペーストに,ピスタチオの風味が加わり,甘さが一層引き立ちます。
今夜の晩酌は,このピッチャーでチビチビとアルザスの白ワインを飲んで,ほろよい気分に浸るつもり。また,お便りします。