ゲンゴロウのロレーヌ日記

くまのゲンゴロウが,ロレーヌ地方の町メッスに留学しました。

アルザス紀行(その1):魔女裁判の村,ベルクハイム

こんにちは,ゲンゴロウです。先週末,アルザスのワイン街道の村々をめぐる旅に行って参りました。最初に訪れたのは,ベルクハイム。

 

ここは例の「もっとも美しい村」に選ばれたところ。中世の城壁や塔が今も残っています。

 

城壁に囲まれた村は,アルザス特有のカラフルな木組みの家。まるでお伽噺の登場人物になった気分。ちょっとウキウキします。

 

ベルクハイムは色々な特権を与えられていました。たとえばこのお尻ペンペンのレリーフは,逃亡者を描いたもの。ここには他所で罪を犯した人が庇護を求めて逃げ込む駆け込み村になっていたのです。

 

また貨幣を鋳造する権利も与えられていたとの由で,この赤い家は「貨幣の家」と呼ばれています。

 

街角を観察すると,色々面白いものに出会えました。表札が凝っていて手描きだったり,葡萄のモチーフが彫られていたりして,目を引きます。

 

1711年の日時計。書かれているラテン語は「SICUT UMBRA FUGIT VITA」。その意は「影のごとくに人生は過ぎ去る」。

 

素敵な民宿を発見。門の外から様子を伺っていると,家のご主人が「入って写真撮っていいよ」と招き入れてくれました。

 

じつはベルクハイムを有名にしているのは,美しさもさることながら,その悲しい歴史です。かつてこの地では魔女裁判が猖獗を極め,少なからぬ女性が魔女として火あぶりにされてしまったのです。

 

悲しい歴史を後世に伝え,二度と同じ過ちを繰り返すまいと,今では町外れに魔女博物館(Musée des Sorcières)が作られ,当時の悲劇を丁寧に説明してくれます。

 

魔女博物館の裏には魔女の庭(Jardin des Sorcières)。といっても暗い雰囲気はまったくなく,花が咲き乱れる憩いの場になっています。

 

そんなわけで,街角のいたるところで,魔女のほうきや魔女の人形を見ることができます。

 

博物館見学後も,バスの時間まで美しい村をくまなく散策。アルザスの美しい村々の中でも,もっとも人気があるらしいです。

 

ツバメの巣を発見! 日本のとは違って,きっちりと隙間なく閉じられているのが印象的。ほとんど雛鳥の姿は見えませんでした。

 

こうして初日は魔女裁判の村をじっくり見学。明日はツアーに参加して,4つの「美しい村」を一気見します。また,お便りします。