こんにちは、ゲンゴロウです。
ペール・ラシェーズはパリで最も有名な墓地。ここをパリ在住のマキジロウ君が案内してくれることになりました。
ここは数多くの有名人が葬られているのみならず、広大な霊園なので、案内人無しには見学不可能です。
このオベリスク型の墓標はシャンポリオンの墓。ヒエログリフを解読したことで有名な考古学者ですね。
カメラフィルムを祀った墓。日本で言えば、筆塚や針塚みないなものでしょうか。フランスではちょっと珍しい気がします。
墓地とはいっても、日本のそれとは随分イメージがことなります。モニュメントや生前の姿をかたどった胸像もいっぱいあって、ちょっと公園みたいな印象。
有名人の墓標には意匠を凝らしたものもたくさん。これは「メデューズ号の筏」で有名な画家ジェリコーの墓。
凝っているといえば、革命家ブランキの墓もすごいです。その彫像もさることながら、墓に掘られた文字は「この墓は民衆の寄付によって建てられた」。人民の友ならでは、です。
哲学者フェリックス・ガタリの墓。偶然見つけました。ドゥルーズの同伴者として知られていた彼ですが、最近はエコロジーとの関連などで、その独自性が再評価されています。
超有名人マルセル・プルーストの墓。かつては日本語で読むすべもなかった「失われた時を求めて」も、今では文庫本で手軽に入手可能。その墓は、意外なほどにシンプル。
ロマン派四大詩人の1人にして、ジョルジュ・サンドの恋人、アルフレッド・ド・ミュッセ。ナポレオン後のフランスを襲った「世紀病」の体現者でもあります。
墓碑銘となったミュッセの詩を、ゲンゴロウ訳でご紹介。
親愛なる友よ、我死なば、
墓に柳を植えよ。
我、その泣き濡れし葉叢を愛す。
その蒼みは我に優しく懐かしく、
その木陰は軽やかなれば、
その地に我は眠らん。
散策中、突然目の前にキツネが! と思ったら、この墓地には沢山の動物が住み着いているとの紹介パネルでした。それにしても、大都会の真ん中にキツネのような野生生物が生息しているとは驚きです。
この墓地では、アウシュビッツに代表される強制収容所・絶滅収容所の犠牲者も追悼されています。またペール・ラシェーズはパリ・コミューンの戦いの地でもありますから、闘士を弔うモニュメントもあります。
こんなふうに、マキジロウくんのお陰で、巨大なこの墓地を丁寧に見学することができました。マキジロウくん、お忙しい中、案内、ありがとう!
2時間あまりの見学で、お腹もペコペコ。墓地のすぐ脇にあったオリエンタル料理店に入って、昼食を注文します。
パリの気温も30度近かったので、ほてった体を冷やすべく冷製のオリエンタルサラダをセレクト。香辛料が効いて、暑さも吹き飛び、午後も頑張れそう。またお便りします。